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ねじ(ネジ)の転造



ねじ部を作るには切削加工による方法と、転造(ローリング)による方法があります。

転造とは塑性変形によってねじ山を成形する方法で、呼んで字の如く転がして作ります。英語でいえば、ロール(Roll)することです。

加工すべきねじと同じピッチで山と谷を逆にした形状のねじ山が刻まれている転造ダイスを、円筒形のねじ素材に押しつけながら回転させる間に、転造ダイスの山形が素材に移されてねじ成形を行うものです。

ダイスのねじ山の先端が、ブランクに食い込んでねじの谷底になる、訳です。

ねじの転造は温間加工でも行われますが、ほとんどは常温で加工されます。ねじ転造は冷間で頭部を成形するヘッダ加工と同様に、ブランクのファイバーの流れを切断しません。ねじ山はダイスによる強制押し付け転造のため、ねじ部、特に谷底が加工硬化され切削ねじに比べて強度が強くなります。仕上面も切削ねじに比べてより滑らかです。その他切削屑もなく、生産性も高く、製造ロット間のばらつきも少なくなります。

特長をまとめますと、

  (1)機械的性質が優れている
  (2)ねじの精度が高い
  (3)均一な品質を生産できる
  (4)生産性が高い
  (5)材料が節約できる

ねじの転造盤には、平ダイス式転造盤、プラネタリ式転造盤、丸ダイス式転造盤、ロール式転造盤などの他にいくつかの形式のものがあります。

小ねじの生産用としては、平ダイス式がもっとも多く、生産性の高いプラネタリ式転造盤も多く使用されています。

近年では、単にねじ転造をするだけでなく、軸部の溝加工、軸先端のとがり先形状など、いろいろな形状が転造機で加工されています。

 

平ダイス式ねじ転造盤

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一方のダイスを固定し、他を往復運動させる

プラネタリ式ねじ転造盤

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丸ダイスと扇形ダイスの組合せ

丸ダイス式ねじ転造盤

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