ねじの宇都宮螺子TOP過去ログ置場

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交通事故防止のための
自転車用サイド・リフレクター(横方向から見える反射板)に
当社の特製ボルト・ナットを使用していただいています。
  

自転車による交通事故防止にご関心をお持ちの方、
是非ご一読下さい。

 

自転車による交通事故

 現在、日本には自転車が6,500万台あります。

 交通事故の死傷者は年々増加し続けており、1999年には1990年(80万人)の1.3倍の105万人となり、初めて100万人を突破してしまいました。2002年はここ6年間(1997年−2002年)で初めて前年比で8.4%減少しましたが、死傷者数は109万人と4年連続で100万人を超えました。

 死者数(事故後24時間以内)は2年連続して9千人を下回りました。また、「事故後30以内の死者数」はここ6年間では、初めて1万人を下回る9,575人でした。24時間以内の死者数の15%
(1,249人)に相当する方々が30日以内に亡くなられました。

 自転車による交通事故で負傷した人は1999年に初めて15万人を超えて以来、4年連続で15
万人を超え、2000年・2001年は17万人を超え、2002年には18万人を超えました。
また、自転車での交通事故後、24時間以内に亡くなった人はここ3年間1,000人弱ですが、30日以内に亡くなった人は30%増の約1,300人です。

 交通事故の中で自転車事故の場合、30日以内の死亡者が24時間以内の死亡者数の30%増(300人増)と、交通事故全体の場合の15%増に較べて2倍の増加率となっており、自転車事故による負傷の程度のひどさを示しています。

 自転車に乗る人が自動車のドライバーから「見えている」と思い込んで前照灯も点けないで夜間の路上を横切ったりすることによる事故も多いものと思われます。自転車が路上にいることを目立つように前照灯を点け、適切な反射材を装着することが必要です。

 加害者と被害者の数に加えて、事故によって心労をわずらう家族等を含めると膨大な数の人々が影響を受けている状況です。

 

● リフレクターとは

 「リフレクター」には、

プラスチックで全方向に光を反射するように成型された「プリズン・タイプ」、 

ビーズの回帰性反射により、反射シート全体が回帰性反射(光を当てたところに真っすぐ反射する)の性能を有した、「ビーズ・タイプ」のものがあります。

ここで紹介しているリフレクターは、「プリズン・タイプ」のものです。

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● 自転車のリフレクターについての交通法規はアメリカと日本ではどのように違うのでしょう

(1)アメリカの場合
a)フロント、b)サイド、c)ペダル、d)リヤ、以上4箇所にリフレクターを装着することが全米で義務づけられており、しかも強制安全基準とされています。

アメリカのCPSC(Consumer Product Safety Commission)のホームページによりますと、「CPSCによる自転車用リフレクターの強制安全基準が、負傷者の数を25−30%減らしている」そうです。アメリカでは自転車事故で負傷する人数は約50万人とのことですが、30日以内の死亡者数は800人ぐらい(日本:約1,300人でアメリカの1.6倍)です。

この「CPSCによる自転車用リフレクターの強制安全基準」には要件として、色、取付位置、角度、等が詳細に定められています。
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(2)我が日本ではどうでしょう
 通産省の定めたJIS規格によりますと、従来から義務づけとされているリヤ・リフレクターとペダル・リフレクターに加え、1996年からサイド・リフレクター(1個)をスポークに取り付けることが義務づけられました。(JIS規格には強制力や罰則はなく、サイド・リフレクターの視認性の性能についての規定はありません。)

 また、サイド・リフレクターがJIS規格に加えられた理由は「安全性の観点」からとのことですが、道路交通法規には規定されていません。JIS規格で規定されているペダル・リフレクターは交通法規では規定されていません。

(3)日米の自転車用反射材の交通法規比較(装着義務)
  日本 アメリカ 日本(JIS)
フロント・リフレクター × ×
リヤ・リフレクター
ペダル・リフレクター ×
サイド・リフレクター 前輪 × △1個装着
後輪 ×

 尚、前照灯(ヘッドランプ)は、日本では義務づけとなっていますが、アメリカ全州共通の規格では義務づけとなっていません。州によって全州共通規格に加えて独自の規格を義務づけています。たとえば、マサチューセッツ州では、「前照灯」の追加装着が義務づけられていると同時に、「前照灯」は500フィート(152m)、「リヤ・リフレクター」、「サイド・リフレクター」「ペダル・リフレクター」は600フィート(182m)の距離から自動車のヘッドランプのロー・ビームで見えることと規定されています。                                            

 

  当社の特製ボルト、ナットをご使用いただいているリフレクターのご紹介
広島県警からの依頼に基づき、1998年から各種リフレクターの視認性の実験をされている近畿大学工学部教授 畝 正二医学博士のご意見では、夜間の自動車の走行速度を考慮すると、自転車の150m以上手前から、ドライバーが自転車の存在を視認できる必要性が高いと思われるとのことです。

近畿大学での実験の結果、このリフレクターは極めて高い視認性を有し、150m手前ではっきり視認できることが分かりました。

このリフレクターが優れている点の一つは、単にリフレクターの幅や面積が大きいだけではなく、リフレクターが3方向に反射するように左右の部分に角度が取ってあることです。
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そのため、横方向からだけではなく、斜め前方や斜め後方から来た自動車のヘッドライトの反射光もドライバーに視認されます
また、オレンジ色は黄色と同じように、波長の関係で最も早く人間の目に届くのでリフレクターとして効果的です。

 

     地域普及活動のご紹介

「東広島マツダ会」(加入24社)様が、2000年7月3日に上記のリフレクター約9,000個(自転車1台に2個装着)を東広島市と周辺の5町(大和町、黒瀬町、福富町、豊栄町、河内町)の教育長に贈呈されました。

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各市、町の教育長を通じ、全ての公立中学校(13校)で自転車通学している生徒、約4,500名に配布され、自転車に装着されました。

2002年からは、「賀茂地区交通安全協会」や「東広島21ロータリークラブ」が参画され、高校生、大学生の通学用自転車にもサイド・リフレクターが装着されていて、上記地区内での装着台数は約1万台となっています。

中学生の通学用自転車につき畝教授が自動車の運転者245名に聞き取り調査をされた結果;

(1) 中学生の通学用自転車の反射材が装着されていることを、約2年間で大半 の運転者が認知している。

(2) 運転者からみた自転車の視認性:地域の運転者の91%が反射材装着を認知していて、車両の前方を横切り時の視認性は、87%が向上したと回答している。

(3) 自転車と自動車の関係する事故:運転者の93%が事故は減少していると推定している。

(4) 中学生以外の自転車について:中学生以外の自転車について、運転者が感じている「怖さ」は「非常に怖い」、「怖い」と感じている運転者は63%にも達し、夜間の自転車にかなり不安が高いようである。そして、高校生や通勤の人の自転車に対して高い不安を持ち合わせているようである。その背景には、「前後方向の視認性が低い(無灯火が多い)」、「横切り時の見え難さ」などを指摘する意見が多い。

<*2002年春から高校生の通学用自転車にもこのリフレクーが装着されている。>

(5) 反射材の装着についての要望:夜間の自転車との事故防止のために、反射材の装着に関する要望を集計した結果、96%の運転者が義務づけないし自主的な取り付けを希望していることが判明した。


 ある中学校の女子生徒からのお礼状には

 『先日は自転車の反射板をプレゼントしてくださり、ありがとうございました。 私は昨年、その反射板をいただいた3年生です。今でも私達の自転車にはオレンジ色の反射板がしっかりとついています。小さいのに私達の命を守ってくれる大事なものだと思っています。 

   特に私は運動部に入っているので冬は朝の練習をしに早く学校へ行く時、霧がとても濃くて周りが見えない時があり不安でした。が、車を運転している人はあの反射板のおかげで、少し安心したと思います。  

  夜遅く帰るときも同じで、危険な暗闇の中を私達はずっとあの反射板に、そして、それをくださったみなさんに、守られていたと思います。  

  心のこもったプレゼント、私達のためにくださって本当にありがとうございました。みなさんに感謝の気持ちを忘れず、反射板を大切につけて使わせていただきます。』 と書いてありました。

右のポスターは1998年度「交通安全年間ポスターデザイン募集」(毎日新聞社、警視庁、総務庁、他協賛)の入賞作品です。
この標語
「 反射材 光るあなたの 心がけ 」
は平成10年4月1日から平成12年12月31日までの広島県の「反射材活用ひろしま県民運動」の標語に使用されました。
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リフレクターの装着率を高めるためには、中学生・高校生への普及が肝要であるとの視点から「草の根運動」のひとつとして、’99年春から、Jリーグに所属する「サンフレッチェ広島」の協力のもとにユース・チーム(高校生約30名)の選手が使用している自転車全てに、このリフレクターが装着されています。
また、プロ野球セントラル・リーグの「広島東洋カープ」の協力で、チームのマスコットである「スライリー君」がグランドで乗る自転車にもこのリフレクターが装着されています。

 


 リフレクターの観点からすると日本とアメリカで販売されている自転車の大きな違いは、アメリカではサイド・リフレクターの装着が強制されているため、夜間、自動車のドライバーが前方を横切る自転車のサイド・リフレクターを自動車のヘッドライトで視認しやすいが、JIS規格に合致していない自転車では、自転車の横方向から自動車のヘッドライトで照射しても、光を反射するものが無いためドライバーが自転車の存在を視認しにくいことです。

 日本で、これから販売される自転車に限らず、現在、保有されている6,500万台の自転車全てにサイド・リフレクターを前輪と後輪に1個ずつ装着することができれば、アメリカのCPSCが言っているように「自転車用リフレクターの強制安全基準が、負傷者の数を25−30%減らしている」というところまでの事故防止の効果があるかどうかは予測がつきませんが、年間15万人におよぶ自転車の事故による負傷者に加え、自転車の事故のうち、多数を占めると思われる「加害者」(自動車のドライバー)を相当数減少させることにつながるのではないかと思います。

 夜間、自転車の手前150mの距離からはっきりと自動車のドライバーが自転車の存在を視認できるような性能のサイド・リフレクター2個(前・後輪に各1個)の装着が交通法規で規定され、新規に販売される自転車だけでなく、現在、保有されている自転車にも装着が義務づけされることが望ましいと考えます。

 また、夜間だけでなく、昼間でも目立ちやすいオレンジ色のサイド・リフレクターの装着が交通法規で規定されることが明るい時間帯の事故の減少にも役立つことと考えます。

 自転車に乗る人たちの心がけとしては、交通法規で規定されていなくても、自動車のヘッドライトで如何に自分の存在を分かってもらうかという視点から、積極的にサイド・リフレクターの装着(そして、「前照灯の点灯」)をすることが肝要だと思います。

 

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