別名 | ちょうナット、ウイングナット |
英語名 | Wing Nuts |
中国語 | 蝶形螺母 |
JIS | JIS B 1185 |
*ここでの別名・英語・中国語名共に一般的な名称ですが、使われ方が違う場合もありますのでご注意下さい。 |
蝶ナットは、工具を使用せず手で締めたり緩めたりできるナットです。取っ手の部分を翼のように見立て、英語では「wing nut」と呼ばれています。 |
蝶ナットは圧造・プレス・ダイキャスト等、様々な製造方法があり、沢山の種類があるのも特徴です。製造方法毎に微妙に形状が違いますが、基本的に用途は変わりません。 ここでの蝶ナットはめねじのナット形状ですが、これ以外に蝶ボルトと呼ばれるおねじ形状を持ったねじも存在します。 |
蝶ナットは1種〜4種まで規格があります。JIS等で定義されている内容でも種類が多いのに加えて、ネジ部の長さによって「高形」「低形」で区別したり、翼の大きさで「R」「H」と区別したりと実際には非常に多くの種類があります。 その中でも蝶ナットは2種R形と1種が比較的流通しており、逆に4種はほとんど流通していません。(下記表も含め様々な要素がある為、絶対とはいえません)
*ダイキャスト(Die Casting)・・・溶かした金属を金型に圧力を掛けて流し込み製品を形成する製造方法。別名鋳造とも呼ばれる |
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蝶ナットはその特徴からも分かる通り、手で頻繁につけたり外したりする場所に使用されます。 蝶ナットは強く締め付ける事よりも、手での付け外しができるという能力を優先させています。その為の強く固定させたい場所には蝶ナットは不向きと言えるでしょう。 |
蝶ナットは右写真の様に、金属製の複数部品から構成されるようなものに主に使用される事もあります。その際に、付け外しが多いという事もあり、蝶ナットを外した時に紛失しやすくもあります。外したあとにはおねじにつけて保管すると紛失を防げます。 また、蝶ナットは手で締めるという特性上締め付け方によっては、堅く締めすぎてしまいやすいので注意が必要です。 |
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ねじの呼び径(d) | M3 | M4 | M5 | M6 | M8 | M10 | M12 |
翼の幅(D) | 16.0 | 20.0 | 25.0 | 32.0 | 40.0 | 50.0 | 60.0 |
翼の高さ(H) | 8.0 | 10.0 | 12.0 | 16.0 | 20.0 | 25.0 | 30.0 |
座面の径(A) | 5.0 | 7.0 | 8.5 | 10.5 | 14.0 | 18.0 | 22.0 |
単位(mm) |
*下記寸法はR形の寸法です(JISの寸法とは異なる部分もあります)。
ねじの呼び径(d) | M3 | M4 | M5 | M6 | M8 | M10 | M12 |
翼の幅(D) | 17.0 | 21.0 | 21.0 | 27.0 | 31.0 | 36.0 | 48.0 |
翼の高さ(H) | 9.0 | 11.0 | 11.0 | 13.0 | 16.0 | 18.0 | 22.0 |
座面の径(A) | 7.5 | 10.0 | 10.0 | 12.5 | 14.0 | 16.5 | 22.0 |
単位(mm) |
ねじの呼び径(d) | M3 | M4 | M5 | M6 | M8 | M10 |
翼の幅(D) | 16.0 | 19.0 | 22.0 | 25.0 | 28.0 | 35.0 |
翼の高さ(H) | 6.5 | 8.5 | 9.0 | 9.5 | 11.0 | 12.0 |
座面の径(A) | 10.0 | 12.0 | 13.0 | 15.0 | 17.0 | 20.0 |
ネジ部長さ(S)高形 | 3.5 | 4.0 | 4.5 | 5.0 | 6.0 | 7.0 |
ネジ部長さ(S)低形 | 1.4 | 1.6 | 1.8 | 2.4 | 3.1 | 3.8 |
単位(mm) |
通常一般品の蝶ナットを表現する時には「材質」「表面処理」「蝶ナットの種類と(型式)」「ねじ部の呼び径」で表現する場合が多いと言えます(例;「ステン生地蝶ナット2種(R)M5」の場合、材質「ステンレス」,表面処理「無し(生地)」「蝶ナット2種(R)」の呼び径「M5」となります)。
材質/表面処理 | 種類 |
ステンレス/生地 | 蝶ナット1種 M5〜M24 |
蝶ナット2種(R型) M3〜M12 | |
蝶ナット2種(H型) M5〜M10 |
鉄/三価白 | 蝶ナット1種 M6〜M24 |
蝶ナット2種(R型) M3 〜M12 | |
蝶ナット2種(H型) M5〜M10 |